2013年4月6日土曜日

ブレーキ



 今回はブレーキのオーバーホールに着手します。もはやレストアのような雰囲気になってきましたが、長期にわたる放置の結果ですね。









 いきなりですが、やってしまいました。リザーブタンクふたのねじ、頭がつぶれてしまいました。


ここのねじはリザーブタンクから染み出たブレーキ液で錆びて緩まないのはよくあること。なかなか緩まなくてインパクトドライバーを使った甲斐もなく完全につぶれてしまいました。

こうなると、エキストラクター(通称:逆タップ)の出番。まず、ドリルで穴をあけます。ねじはM4×12の皿ねじなのでφ2のドリルキリを使い8mmぐらいの深さの穴をあけ、エキストラクターを差し込みハンマーで軽く打ち込みます。ハンドルを取り付け、回してみるとパキッという音を立てて回りました。やはりねじの首のあたりが少し錆びていました。



 次はブレーキ液を抜き、マスターシリンダのピストンを抜く作業です。スナップリングを外して、とりあえず最初はプライヤでつかんで引っ張ってみました が・・・・・・全く動きません。

次は、ホースを固定しているユニオンボルトを外しその穴から棒でスプリングを押してみました が・・・・・・スプリングが曲がっただけで動かない。

ぐぬぬ・・・と思いながらも次はリザーブタンク内の穴を指で塞ぎ、ホース取り付け穴からコンプレッサでエアを送り込んでみた。・・・うーん、圧力はかかるが全く動かない。何か策を考えるため、とりあえず今日は潤滑油(CRC 5-56)をピストンに吹き付け一晩おいてみることにしました。


もちろん、潤滑油程度では抜けるはずもなく作業再開。今度は少し荒技。無傷で取り出すことは諦め、即席のギヤプーラのようなものを作ってみます。

まず、ピストンにφ3.3mm、深さ10mmぐらいの穴をあけ、M4のタップでねじを切ります。φ56mmぐらいの穴のあいた適当な板とナット&ワッシャの付いた長めのM4ボルトを用意、そして、板の穴にボルト通してピストンにあけたねじ穴に取り付けます。


用意した穴のあいた板はこんな形をしていますがφ6の穴以外、特に意味はありません。たまたま手元にあった何かの部品を流用しました。(でも、何だったかな コレ?) この状態でナットを締め込んでいくと、じわじわと手応えあり! ようやく抜けました。



抜いたピストンを見てみると結晶のようにブレーキ液が固まっていました。固着の原因はこれですね。あとは新品のピストン・カップセットを組み付けてマスターシリンダは終了です。 それにしても、マスターシリンダのオーバーホールに2回もドリルで穴をあけることになるとは・・・。


マスターシリンダの状態を考えて、念のためとキャリパーもバラしてみたが、こっちは特に何もなくきれいな状態なのでこのまま組み付け。それと、分解前から気になっていたことがもう一つ。キャリパー近くのホースを見てみると、液漏れがあるみたい。

ホース本体からの漏れか?それともユニオンボルトのワッシャか?とりあえずプロテクターを外して洗浄し、エア抜きをしてみる。すると、やはりユニオンボルト付近から漏れてくる。ワッシャを新品にして組んで再びエア抜きをしてみるが、漏れが止まらない。

どうもホースから漏れているみたい。せっかくのステンレスメッシュホースだったけど漏れていては使えないので交換しなくてはと思ったが、どこから漏れているのかわからずなんか納得いかない。そこで、よ―――――く見てみると亀裂が。ああ、これかぁと納得です。やっぱり交換しかないか。
傷みたいだけど、ちからをかけると広がる亀裂でした。

このメッシュホース、ブレーキの効きが悪くどうにかならないかと思って入れたものでした。しかし、ブレーキのタッチは変わるが効きは変わらず、ブレーキパッドをアスベスト系のものに変えても変わらなかった。パッドを変えても変わらないということはたぶんブレーキディスクの材質が原因かな?

余談だが、スズキ車のディスクブレーキは他のメーカーに比べて少し効きが悪い。RMXやモトクロッサーのRMに乗っていた人に話を聞いても効きが悪いとのことだった。

これがなぜか四輪も例外でなく、四輪ディスクブレーキのアルト・ワークスも効きが悪かった。また逆にドラムブレーキはすごく良く効いた。昔の四輪ドラムブレーキのアルトはすぐロックして怖いぐらいに効くし、キャリィはジャックナイフができるほどだった。

 ―― さて、現在の目の前にあるTS200に戻ります。確かノーマルのホースがどこかにあったような気がしたので、倉庫の中を探すこと約10分。見つかりました。特にひび割れとか傷みとかもなさそうなので埃を払うためにエアブローをしてから組み付ける。エア抜きをしてみると今度は漏れることもなく効きとかも問題無さそうです。


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